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花尊し

花尊し

真言宗



真言宗についての Q & A


Q 真言宗とは?
A 空海は唐で真言密教を学び、帰国後、高野山に金剛峰寺(こんごうぶじ)を建立、日本で初めて密教系の宗教として「真言宗」を創始しました。この"密教"というのはその名の通り「秘密の教え」のことです。宇宙の本質を仏格化した根本の仏である大日如来が、自分の悟った道筋を自分で反省して記した秘密の教え、という意味です。また、密教に対していわゆる仏教は顕経とされ、釈迦の仏教は大日如来の仮の現れである (キリストが神の子というのと同じ対応です)釈迦が衆生に対して表だって (秘密じゃないわけですね)説いた教え、ということになっていますが、いちおう日本仏教の1宗派で真言密教、真言陀羅尼(だらに)宗などともよばれます。

教主(本尊):大日如来【大日如来に比較するならば釈尊は無明の辺域すなわち
迷いの凡夫のようなものでゾウリ取りにも及ばない、と主張】
開祖:空海【遍照金剛(へんじょうこんごう)、弘法大師ともよばれ、
俗に「お大師さま」の呼び名でしたしまれている】
主な経典:大日経・金剛頂経・理趣経
寺院の御本尊:金剛界・胎蔵界曼荼羅に含まれるすべての諸仏・諸菩薩・諸明王・諸天
お唱えする文句:南無大師遍照金剛

Q 真言宗の思想とは?
A 思想の特徴としては即身成仏といい、体全体がそのまま仏となれる、つまり、自分は大日如来と一体になれる、と言う思想を中心としています。また実践面では加持祈祷(かじきとう)を行います。加持祈祷とは本尊である不動明王などの力(加持力)によって招福除災を願う儀式のことです。山科の寺では木の板に願い、たとえば商売繁盛とか家内安全とかを書いて名前と数え年を書く。そしてその木を5・6人の坊主がお経(般若心経)を詠えながら燃やしていく、というものでした。ほかにも盆に川流しと言って「南無阿弥陀仏」と書いた短冊を1000枚に供え物を添えて川に流して塩をまく、と言う先祖供養の儀式もあります(川を汚しているようにしか見えないんですけどね・・)。さて、こういった実践や思想は即物的な側面があり、従って現世的利益を求める平安貴族とどんどん結びつきを強くしていき、真言宗は発展をしていきます。

Q 真言宗の歴史は?
A 平安時代、弘法大師 空海が唐に渡り恵果阿闍梨(けいかあじゃり)より直々に伝授され日本に伝え始まった。密教という部分ではいっしょに入唐した天台宗の最澄も先に日本に持ち帰ってはいたが、それを上回る経典、法具などを空海は持ち帰ることとなった。最澄が天台宗につたえた密教を「台密」とよぶのに対し、「東密」とよばれる。その後、天皇より京都の東寺、神護寺を賜り、最終的に高野山を構築する。そして、高野山を総本山として真言宗が開宗された。真言宗の急進的改革をめざした覚鑁(カクバン)が高野山や東寺と対立して根来(ねごろ)山を本拠とすると、真言宗は覚鑁の流れをくむ新義真言宗と従来からの古義真言宗の2つに大きくわかれた。古義真言宗では大日如来自身(本地身)が説法するとする本地身説法を説くのに対して、新義真言宗では大日如来が衆生(しゅじょう)に説法するためにとった加持身が説法するという加持身説法を説くのが大きな違いである。新義真言宗はのちに長谷寺を中心とする豊山(ぶざん)派と智積院(ちしゃくいん)を中心とする智山(ちざん)派にわかれた。古義真言宗は、仁海のたてた小野流と寛朝の広沢流の2派にわかれたのを皮切りに分裂をくりかえし、近年になって、大小の派(約30派)に分かれ今にいたっている。

真言宗の各派( )内は総本山
高野山真言宗(和歌山・高野山)
東寺真言宗・真言宗東寺派(京都・東寺)
新義真言宗(京都・根来寺)
真言宗智山派(京都・智積院)
真言宗豊山派(奈良・長谷寺)
真言宗醍醐派(京都・醍醐寺)
真言宗須磨寺派(須磨寺)
真言三宝宗(清澄寺)
真言宗中山寺派(中山寺)
信貴山真言宗(朝護孫子寺)
真言律宗(西大寺)
真言宗善通寺派(善通寺)
真言宗御室(おむろ)派(仁和寺)
真言宗泉涌寺(せんにゅうじ)派(泉涌寺)
真言宗大覚寺派(大覚寺)
真言宗山階(やましな)派(勧修寺)
真言宗室生寺派(室生寺)
などなど・・・これ以外にも、たくさんの宗派があります。やはり、御大師さまの教えを信じる方々の多さが生んだ賜物でしょう。

Q 印(いん)とは?
A 皆さんは仏像を見たことがありますか。無い人は明日にでも見てみましょう。道端にあるお地蔵様でもいいんです。あの仏像の皆様の手の形が違うことにお気づきになりました?あの手の形が印といいます。それぞれの仏様ごとに決まっていますが、出家をしていない人はほとんど教えてもらえません。この印を真言宗では必ず結んでお経や真言を唱えます。

Q 真言(しんごん)とは?
A 真言とは読んで字のごとく、真の言葉です。サンスクリット語で書かれた真言を真言宗ではそのまま読みます。真言を読む宗派だから「真言宗」っていうんですね。この真言も印と同じく各仏様ごとに決まっております。たとえば、極楽浄土のあみだ様は「オン・アミリタ・テイ・ゼイ・カラ・ウン」不動明王は「ノウマク・サマンダ・バザラ・ダン・カン」となっています。そして真言をきくことができるかどうかはその人の心のあり方によってちがうとし、空海は人の心のあり方を10段階の住心にわけました。日常の人間の言葉を廃して、大日如来の言葉すなわち真言を直接きき、身(体)・口(言葉)・意(心)のすべてにおいて大日如来と一体化することで、現世における成仏(即身成仏)が可能となると説きます。

Q 光明真言とは?
A 光明真言は 「 おん あばぎゃ べいろしゃのう まかぼだら まに はんどま じんばら はらばりたや うん 」 と、108回唱える。死者の滅罪に力があるといわれ、この真言によって加持(真言を唱えて清めるこること)された土砂を遺体にかけると仏の光明に包まれ、極楽に往生できると信仰された密教の修法である。罪がなくなると遺体が柔らかくなり、納棺しやすくなると信じられ、後に民間に広く伝わる。

Q 三密(さんみつ)とは?
A 真言宗の教えに三密というものがあります。手に印を結び、口に真言を唱え、心に仏を感じるのが三密といいます。手に印を結び、真言を唱えるのは誰でもできますが、心に仏を感ずること、仏を心に引き入れるとも言いますが、この広い宇宙の中に今、自分が「生かされているんだ」と感じられなければなりません。

Q 即身成仏とは?
A これも読んで字のごとく「この身このままにして仏になる」と、いうことです。弘法大師の言葉に「死んで仏になって何になる、今この与えられた身で仏にならずしてなんになる」という言葉があります。これは、簡単にいうと生きているうちに仏のような行いをしよう、できることならばみんなから生き仏と呼ばれるような生き方をしようではないかということ。


Q 曼荼羅(まんだら)とは?
A 真言宗では金剛界曼荼羅(こんごうかいまんだら)と胎蔵界曼荼羅(たいぞうかいまんだら)のふたつをまとめて曼荼羅といいます。われわれに、お父さんとお母さんがいるようにこの二つの曼荼羅は真言宗の教えのお父さんとお母さん、すなわち両方無くてはならないものです。この曼荼羅には、千を越える仏様が法則にのっとって並んでいます。

Q 空海の思想と文化史的意味とは?
A 空海は、経典の研究ばかりをおこない人々の救済をおこたっていた奈良仏教を批判し、即身成仏思想を強調した。また、「十住心論」で示した人間の心や菩提(ぼだい)心の展開をまとめた思想は、日本仏教全体に深い影響をあたえた。空海が遍歴したといわれる各地には弘法大師信仰が生まれ、弘法清水、大師の杖立 (つえたて)柳などが残っている。四国八十八カ所の巡礼も、この大師信仰から生まれたものである。

Q 高野山(こうやさん)とは?
A 和歌山県伊都郡高野町にある高野山真言宗の総本山、金剛峰寺(こんごうぶじ)の山号。和歌山県北東部の山地。陣ケ峰(1106メートル)、楊柳山(1009メートル)などに囲まれ、紀ノ川・有田川の分水嶺をなす標高九百メートルの山頂平坦面。弘仁七年弘法大師が開山し、真言宗の霊場となり、金剛峰寺など一群の寺院がある。野山。南山。南岳。八葉峰。

Q 真言宗の葬儀とは?
A 真言宗の葬儀観を端的に物語る弘法大師作の御詠歌「阿字の字が 阿字の古里立ち出でて また立ち帰る 阿字の古里」。「阿」は梵字で書かれ、大日如来とその生命を表す。つまり葬儀は大日如来の阿字へ還ることを示す。したがって亡者(死者)を宇宙生命の本源である大日如来の大生命に包まれている弥勒(ミロク)菩薩の浄土である「都率天(トソツテン)」「都率浄土」へ帰還させることが葬儀の精神になる。

Q 葬儀式次第の特色とは?
A 高野山真言宗ではまず遺体を納棺してから、棺の前で授戒が行なわれます。真言宗の葬儀の特徴は、灌頂(かんじょう)の儀式にあるといわれ、灌頂は頭に水をそそぎかけることで、密教では仏の位にのぼるための重要な作法です。また死者の霊を浄土にお運びする役目は弥勒(みろく)菩薩で、この菩薩のご来迎を頂いて、弥勒の浄土に成仏することが目的となっています。

(1)洒水(しゃすい) 死者に法水をそそぎます。
(2)加持供物 供物を加持します。
(3)三礼 仏法僧に帰依します。
(4)剃髪(ていはつ) 死者を剃髪します。
(5)授戒 死者に戒律を授けます。
(6)戒名
(7)表白 仏を賛え、これから行なう儀式の成就を祈ります。
(8)神分 諸々の仏を勧請して法楽を捧げます。
(9)教化(きょうけ) 諸仏の教化を願います。
(10)引導 臨終の大事を授けます。
(11)真言
(12)五鈷杵授与 偈を三遍唱えます。
(13)真言
(14)御引導大事 弘法大師引導の大事の印、偈文、真言を授けます。
(15)開眼 位牌を開眼します。
(16)血脈 真言密教の血脈を授けます。
(17)六大印 真言を授けます。
(18)偈文 脇導師、焼香して偈文を唱えます。
(19)諷誦(ふうじゅ)文 導師、諷誦文を唱えます。
(20)弔辞・弔電奉読
(21)後讃 鉢をつきます。
(22)読経 真言・陀羅尼、回向を唱ます。
(23)祈願 浄土に往生するよう祈願します。
(24)出棺

Q 真言宗は悪法?
A 真言宗の最も悪法である理由は、一代の教主たる釈尊の悪口を言い、卑下して、法身仏(ホッシンブツ)(生国不明の架空仏)たる大日如来を立てることにある。本来の主人をさしおいて無縁の主を立てるところから、衆生救済の根本である仏と法を倒す教えであり、真言は亡国・亡家・亡人の法であるとされるのである。




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